トピックアウトライン

  • めくるめくデジタルオーディオの世界~音楽をいつでもどこでもいい音で!~

    ここ数年、iPodをはじめとする携帯型音楽プレーヤーの普及で、いつでもどこでも、手軽に音楽を楽しめる時代がやってきました。音楽再生機能つきの携帯電話も若い世代を中心に人気です。街でヘッドホンをつけて歩いている人もずいぶん見かけますよね?

    でも,お店に行って,音楽プレーヤーやヘッドフォンのコーナーを見ると、たくさんありすぎて,どれが良いか分からない!
    そんなあなたのために,普通の取扱説明書や店頭には書いてないデジタル音楽プレーヤの種類や,ヘッドホンの種類と使用場面の違いについて解説しています。
    また,実際に買ったときにどんな風に使うのか,iPodと,ビクター アルネオを例に簡単に説明します。

    2008/10/25のサロンに参加の方は,実際に携帯音楽プレーヤとヘッドホンの体験もできます。

  • トピック 1

    生活の中でのデジタル音楽の広がり・楽しみ方

    iPodをはじめとした,携帯型デジタル音楽プレーヤの登場によって,軽々と大量の音楽を持ち運べるようになりました。2008年現在では,レコードカセットテープ約3000枚分(160GB)が,1本のカセットテープより小さいプレーヤ(重さ100g程度)に録音できて,それにイヤホンを繋ぐだけで聞けるのです。

    sukkiri

    棚いっぱいのCDやレコードを一枚ずつ再生するのも,落ち着きがあり乙な物ですが,手軽さ,扱いやすさで言えば,デジタル音楽プレーヤは圧倒的です。

    まず,曲を探すのが一瞬でできます。当然再生も一瞬です。
    さらに,CDやレコードのように,表面の手垢や埃で音が劣化したり,音飛びするようなことはありません。
    さらに新しい曲をお店に行かなくても聞けます。

    そのような手軽さが,胸ポケットに入るサイズで実現できるのです。
    この手軽さなら,電車やバスでの通勤通学,ジョギングやウォーキング,はたまた,学習の合間の息抜きや,部屋のBGMにだって使えます。

    このコースは,携帯音楽プレーヤとデジタル音楽について学んで,自分にあった音楽スタイルを発見してもらうものです。

    Wikipedia - デジタルオーディオプレーヤ レコード コンパクトカセット
  • トピック 2

    音楽の聴き方の古今歴史

    1980年代にCDで始まったデジタル音楽の世界ですが,その後,デジタル録音可能なMDやCD-Rなどが出るも,基本的には,レコードと同じく,聞きたいアルバム(曲)毎にプレーヤにセットし直さなければならず,1枚の録音時間はレコードと比べてほとんど変わってなったため,決定打にはならなかったのです。

    2000年代に登場したデジタル音楽プレーヤは,現在では100g程度の重さでCD3000枚分もの音楽を保存でき,まさに携帯できるレコード棚(ライブラリ)とも言える状態なのです。
    まさに,今,音楽の聴き方は,CD以来の大革命が起きているのです。

    みなさんも,この変化に是非乗っかって,過去の自分のテープやレコード,CDをまとめてはいかがでしょう?
  • トピック 3

    デジタル音楽プレーヤと今までのプレーヤは何が違う?

    今までのプレーヤ

    今までプレーヤを購入するときは、対応するメディア形式(規格)で選んでいたと思います。カセットテープを聴きたいからとか、CDを聞きたい、ラジオを聞きたいという感じです。
    ラジオは電波なので媒体の物理的な形状は見えませんが、カセットテープやCDには、形があって、それの入る物を買えば大体OKでしたよね。
    形の違う物同士は互換性がなく、別の媒体に録音し直す必要がありました。
    「レコード」プレーヤと「カセットテープ」レコーダをつないで、録音したりしますよね。
    また、聞いているうちに媒体が劣化して使えなくなることもありますよね。お気に入りのテープが伸びて聴けないとか。

    携帯型デジタル音楽プレーヤ

    対して、現在の音楽プレーヤのほとんどは、音楽を内蔵のメモリに録音します。
    ですので、カセットテープの入れ替えて再生するといった媒体の交換はできず、音楽を聴くための媒体と本体は常に一体です。

    それじゃあCDやカセットテープの音楽を聴くにはどうするのか?
    という疑問がおきますよね。
    なにしろ音楽プレーヤには、そういった媒体を入れるところがありませんから。
    今までのプレーヤと同じく、別の形式の媒体は録音し直すという作業が要るというのが答えです。

    録音するときに、パソコンや専用の録音機械ってデジタル形式で録音するというところが新しいのです。
    CDやカセットテープをパソコンや録音機械で録音して、音楽プレーヤに専用の転送ソフトで移す(コピー)のです。インターネット上にあるようなデジタル形式の音楽などは、転送ソフトが対応していれば、録音し直さなくてもコピーできます。
    ※ 購入する音楽プレーヤによって、使用する転送ソフトは違います。AppleのiPod(あいぽっど)なら、iTunes(あいちゅーんず)を使います。転送方法は音楽プレーヤの説明書を読みましょう。


    パソコンや、専用の録音機械などで、携帯デジタル音楽プレーヤに転送することで、プレーヤに音楽が入って聴けるようになるのです。
  • トピック 4

    おまけ1:アナログ音源(レコードなど)をデジタル音楽に!

    みなさんのお宅には、思い出や記念のレコードやテープなどはありませんか?
    このようなレコードやテープもデジタルにして、パソコンや携帯プレーヤに入れておけば何度聞いても劣化しないので、長く残せますよ!
    「テープをすり切れるほど聴く!」のも風情があっていいのですが、いつまでも長く残すならデジタル化しておいた方が良いのです。

    でもうちのパソコンにはCDはあっても、レコードやカセットテープを入れるところが無いぞ!

    その通りです。でもご安心を。
    今までのラジカセやレコードプレーヤをパソコンにつないで録音することができます。下のUSB接続の機械などをつないで録音することで、カセットテープなどを手軽にデジタル録音できます。

    また、もっと簡単にレコードやテープを直接録音できる一体型の機械も販売されています。これを期にデジタルにしてみませんか?

  • トピック 5

    デジタル音楽プレーヤの機能と,種類

    デジタル音楽プレーヤは,現在以下のように分類されている。

  • トピック 6

    デジタル音楽の圧縮と音質(容量と曲数の関係)

    デジタル音楽には、いくつかの形式(規格)があり、この規格で、どのくらいの曲数がどんな音質で録音できるかが決まるといっても過言ではありません。
    携帯型音楽プレーヤを見ると、「4GB、1000曲録音可能」といった表示がなされていることがあります。この曲数と4GBの数字の関係はデジタル音楽の形式に依存しているのです。ここでは、その関係について解説します。

    今までなら、形式(規格)というのは、外観的な違いを伴う物でしたが、デジタル音楽の場合、外観は同じでも、転送ソフトやプレーヤの対応によって形式があるのです。

    デジタル音楽形式というのは、音楽ファイルの形式(MP3とか)の事です。
    実は、専用の転送ソフトを使う携帯プレーヤ場合は、自動で管理してくれます。
    ここでは、なんでいくつか種類があるのかについてお話しします。

    音楽プレーヤと,デジタル音楽形式は,かなり密接な関係にあります。
    というのは,携帯音楽プレーヤが対応している形式が限られるので,どれでも良いわけではないからです。パソコンの場合、対応したソフトをインストールすれば聞けるようになりますが、デジタル音楽プレーヤの場合は、買ったときから対応形式は変わらないのが普通です。

    デジタル音楽と圧縮(MP3の登場)

    しかし、なぜデジタル音楽に形式がいくつも存在しているのでしょうか?
    デジタルといえば、CDもデジタル音楽です。そのままプレーヤに転送すれば問題なさそうです。
    その通りで、実はCDをそのまま転送することもできるプレーヤも多いのですが、CDはプレーヤに入る容量に対して大きすぎるので現実的でないのです。
    普通音楽は時間で量をはかりますが、デジタル音楽プレーヤに入る音楽の量は時間でなく、容量で決まっています。デジタルの情報量のことを容量といい、単位はB(バイト)です。音楽プレーヤを買うときに4GB(ギガバイト)とか8GBとか書いてあるのが容量です。これに対して、CDが大きいのです。
    CDアルバム1枚には74分(15曲/5分)が録音でき、その容量は650MB(メガバイト)です。ギガはメガの1024倍ですので、容量4GBのプレーヤは4096MBです。650MB×6枚=3900MBですので、たった6枚460分(92曲/5分)しか入りません。

    デジタル音楽プレーヤの登場初期(1998年)の頃、容量は32MBでしたから、たった3分、短い曲1曲ぐらいしか入りませんでした。
    同じ頃インターネットもはやり始めで回線は遅くビデオどころか、文字と荒い画像ならやっと送れるような速度で、CDをそのまま送ることなど全く現実的でない状況でした。

    そこで、音楽を小さく扱いやすくするため、音声圧縮技術が利用されることとなったのです。
    当時ビデオの圧縮技術としてあったMPEG-1の音声部分を切り離した、MPEG Audio Layerというのが単独の圧縮形式として利用できるようになり、このLayer-3というのが、12分の1の容量でCD並の音質を再現できるとし注目を浴びることとなったのです。これがMP3とよばれる形式です。

    12分の1なら当時の32MBでも35分(5曲/5分)入ります。現代の4GB(4096MB)なら、4405分(880曲/5分)も入ります。
    これで、あの小さな携帯型音楽プレーヤにCD数十枚・数百枚の音楽が入るようになったのです。

    MP3の問題

    しかしMP3には大きく2つ問題がありました。
    ・MP3は当時一部企業が独占的にライセンスしており、録音ソフト毎にお金が掛かった。
    ・規格に著作権の保護が備わっていないため自由にコピーできてしまう
    この問題から、新しい規格(形式)がいくつかできて、携帯電話やパソコンの音楽配信では、MP3ではない別の形式が使われている事が多い。


    MP3などの劇的な圧縮は、人間が感じ取りにくい音を欠落させたりすることで実現しているので、人間の耳にはほぼ同じ音として感じ取れても、デジタルの情報を完全復元できないので非可逆圧縮といいます。これに対し、音楽を符号として圧縮し、完全復元できる圧縮を可逆圧縮といいます。
    非可逆圧縮の場合、どの情報を欠落させるかで性格ともいえる微妙な音質の違いがあり、MP3より音の良いと言われる規格がいくつか生まれました。

    新しい規格

    このような点から、MP3に変わる新しい規格として下のような特徴のものが存在しています。
    ・ライセンスのために使用者にお金の掛からない規格
    OggVorbis, WMAなど
    ・MP3よりも高圧縮で、音の優れた規格
    AAC(MPEG4)など
    ・可逆圧縮によりCDと全く同じ音質の規格
    FLACなど

    しかし、MP3の方が対応プレーヤが多く、他の規格がMP3より普及する日は遠い先でしょう。
    カセットテープが、長らく録音媒体の主役だったように。


    デジタル音楽形式紹介

    ・MP3
    一般的な形式で,ほとんどのプレーヤで,問題なく扱えるが,著作権保護機能がついていないので,専用ソフトで転送する携帯プレーヤでは,大体変換して転送される。
    容量:64~320kbps

    ・AAC(MPEG4)
    Apple社iPodでは標準形式。携帯電話の着うたなどもこの形式が多い。

    ・WMA(Windows Media Audio)
    Windows Media Playerの標準形式。DoCoMoの携帯電話や,多くのプレーヤで標準サポートしている。
  • トピック 7

    イヤホン・ヘッドホンの種類と音の特性

    ここでは,現在携帯型音楽プレーヤに繋いで,使えるイヤホン・ヘッドホンの種類と,得意分野(使い方・場所)について解説しています。
    自分の使い方や,装着感,使用場所,予算によって選びましょう。
    どの機種を購入するかは,基本的に視聴して決めるのが一番ですが,地方ではで視聴できる店が少ないので,ユーザレビューサイトなども参考にするといいでしょう。

    カナル型イヤホン

    耳穴に差し込んで使うイヤホンです。他のものより遮音性に優れています。耳栓をするのに近いです。
    特徴:軽い,遮音性が高い(外の音は聞こえにくく,自分の音は漏れにくい)
    用途・場所:騒音の多いところでの作業など,バス,電車,飛行機内が向いてます。これをつけての運転は禁止です。
    予算:1000~60,000円

    インナーイヤー型イヤホン

    ごく一般的なイヤホンです。耳たぶに引っかけて使います。耳たぶで支えるので,長時間の装着で耳が痛くなる人も居るようです。
    特徴:軽い,安価
    用途・場所:オールマイティなんでも
    予算:100~20,000円

    密閉型ヘッドホン

    音が漏れないタイプのヘッドホン。
    特徴:大きいので重い,耳たぶに負担が掛からない,遮音性は高い
    用途・場所:激しく動かないところ。
    予算:3000~100,000円


    オープンエアー型ヘッドホン

    開口しているヘッドホン。外の音も聞こえ,自分の音も漏れる。
    特徴:大きいが密閉型より軽い,閉塞感がない,手軽に高音質(抜けがよい)
    用途・場所:音漏れが許されるところ。自分の部屋とか
    予算:2000~50,000円

    耳掛け型ヘッドホン

    オープンエアーを小さくして,耳に引っかけるようにした物。ヘッドホンのバンドが髪を押さえてしまうので髪型を気にする人はこれを使う。
    特徴:それなりに軽い,閉塞感がない,手軽に高音質(抜けがよい)
    用途・場所:音漏れが許されるところ。自分の部屋とか
    予算:2000~30,000円

  • トピック 8

    おまけ2: あなたの耳年齢をはかってみましょう!

    あなたの耳年齢は何歳ぐらいでしょうか?
    ゲームで簡単に計ってみましょう!!

    耳は年齢により聞こえる音域(可聴域)が狭くなっていきます。
    音域は通常Hz(ヘルツ)という単位で表されていて、数字が大きいほど高い音です。
    20歳までは一般的に20~20000Hzまで聞き取ることができると言われており、人の声は300~4000Hz程度ですからかなりの余裕があります。
    そこからは年齢と共に徐々に狭まってきて、40代では20~14000Hzまで、60代では20~10000Hzまでになります。

    一方でCDの音楽は20~22000Hzまでの音域が記録されていますし、楽器によってはもっと高い音も出ますので、人によって聞こえ方が全然違ったりするのです。

    中高生の間では携帯電話に高い音域(18000Hzなど)の着信音を設定して、(年齢の高い)先生に見つからないようにする「モスキートトーン」なるものが出ていたりします。

    それでは計ってみましょう!

    耳年齢チェックサイト
    ※ 耳の年齢は個人差が大きいので、判定が高めになってもあまり気にしないでくださいね。

    注意!

    ・音は全て同じ大きさで録音されています。
    ・はじめに低い音域(8000Hz)を聞き、五月蠅くない音量に調整してから、高い音域を聞くようにしてください。
    ・途中で高い音が聞こえにくくなっても、音量を上げてはいけません。
    ・音量を上げすぎは耳に悪影響を与える恐れがあります。
  • トピック 9

    実際に購入して音楽プレーヤーを使うには?

    最後に,あなたにあったスタイルを組み合わせてみましょう。
    当日は、様々なプレーヤとヘッドホンを用意しています。適当に組み合わせて違いを体験してみてください。
    インターネットでごらんの方は、お店で体験してください。


    あなたの好みのプレーヤは?
    ・いつ使う? 通勤通学(電車・バス)、運動、家で など・・・
    ・いっぱい音楽を入れたい? 30枚ぐらい、300枚ぐらい、1000枚以上 など・・・
    ・音楽以外にしたいことは? 音楽だけ、動画も見たい、テレビも見たい など・・・
    ・予算は? 5000円、10000円、20000円以上もOK

    あなたの好みのヘッドホンは?
    ・用途は? 外でも聞く、家でゆっくり聞く
    ・デザインは? フィット感、軽いのが一番
    ・予算は? 1000円以下、3000円ぐらい、8000円ぐらい、15000円以上

  • トピック 10

    おまけ3:デジタル音楽の未来予想図(もっと手軽に,もっと臨場感を!)

    携帯型音楽プレーヤの容量は,日々大きくなっていき,インターネット回線の容量もでかくなっているので,近い将来は,インターネットで,CDよりももっと音がよい高音質音楽配信が一般的になるかもしれない。

    という未来があるのかどうかは分かりませんが、MP3などの現在一般的なデジタル音楽よりも、高音質なサービスを提供しているところがあるので紹介します。
    こちらに詳しく書いてあるので,是非CD以上の高音質を体験してみてください。

    テレビがハイビジョンになったのだから、音楽も高音質になってもいいじゃない!?