質問

天の川って聞いたことがありますか? いったいどんな川なのでしょうか。

解説

 「あまの川」はその名の通り,天(宇宙)にある川という意味で, 私たちが知っているような,水が流れている川のことではありません。 下の写真に見るように,夜空を見上げたとき,ぼんやりとしていて, 何かが流れているように見えるところが天の川です。 見上げた様子から,「天を流れる川」という意味で, 昔の人が「天の川」と名付けたのです。 7月7日の七夕の日に織姫と彦星を年に1度だけ渡ることができるのが この天の川です (七夕のお話 は本当は旧暦の7月,つまり8月中旬のお話です)。
著作権者:栗田直幸氏
http://www.ne.jp/asahi/stellar/scenes/index.html
 天の川の本当の姿は下の写真にあるように, 無数の星とガスが集まっているところで, 地球から私たちの銀河系の中にある星の眺めが 天の川となって見えているのです。
著作権者:栗田直幸氏 http://www.ne.jp/asahi/stellar/scenes/index.html
 もう少し詳しくいえば,上の写真は「夏の天の川」です。 私たちの銀河は星の集団が渦を巻いたような構造(渦巻銀河と言います) になっていると考えられています。 有名なのは私たちの銀河系の隣にある アンドロメダ銀河ですが,宇宙には渦巻き銀河がたくさんあります。 下の写真は大小2つの銀河がつながっているため、 子持ち銀河という名前がつけられています。 M51の渦巻きの腕の先にNGC5195という名の小さな銀河がつながっています。
出典:IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/ 画像提供:COBE http://www.geocities.jp/milkyway_amanogawa/
上の右図は私たちの銀河の縦に切った図です。 太陽は銀河のずいぶん端の方にあるのが分かります。 「夏の天の川」は地球に住んでいる私たち(太陽の位置)から 銀河の中心の方向を眺めたときに見える天の川です。 下の図は「冬の天の川」です。夏の天の川と違って見えませんか? ヒントは地球が太陽のまわりを回っていること(公転といいます)に関係します。
著作権者:栗田直幸氏 http://www.ne.jp/asahi/stellar/scenes/index.html
銀河についての説明動画
出典:IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

天の川の探し方

最近の夜は明るすぎて,あまり見えませんが, 街灯や街の光の少ないところに行けば 天の川は一年中見ることができますが, 夏(8月頃)が一番の見ごろで,かつ見つけやすいです。 皆さんもぜひ一度,自分の目でごらんになってみてください。 方法は簡単です。
  • 夜9-10時ごろ,南に向かって立つ
  • 真上を見上げる
これだけです。 今頃なら,たいていはこの方法で見つかります。
  • 南側の明るい星:アルタイル(わし座α星:0.8等星)
  • 右手側の明るい星:ベガ(こと座α星:0.0等星)
  • 左手側の明るい星:デネブ(はくちょう座α星:1.3等星)
画像提供:国立天文台 http://www.nao.ac.jp/
国立天文台が毎年実施している 「天の川全国調査」 キャンペーンによると,熊本の都市部近郊でも はっきり見えているそうです。 皆さんもぜひ,チャレンジしてみてください。
Ryuichi Matsuba, All Rights reserved, 2005